ICTってなに? – 初めてのICT 2025年度版①-

はじめに:ICT理論の概要

ICT(Inner Circle Trader)理論とは?

ICTとはアメリカ人トレーダー、マイケル・ハドゥルストンの個人的な経験と、教育活動に基づいて体系化された、一種のトレード戦略理論です。プロの資金(スマートマネー)の動きを読み取り、それに乗ることで有利にトレードするために考案された手法です。

ICTの基本的な考え方とは?

  1. 個人投資家の大多数は負ける
    • 感情ベースのトレードは大口投資家にとっての狩場となる。
  2. プロ(スマートマネー)は逆の動きをする
    • 初心者の相場の売り買いはプロにとっては騙しやエサ場と認識される。
  3. 価格は偶然ではなく設計されて動く
    • ICTでは価格の動きはランダムではなく意図的だと考える。
    • 銀行やファンドなどの大口が注目を集めてから反転させるという構造を意識する。

なぜICTが熱狂的な信者を増やしているのか?

  1. ロジカルで再現性が高い
  2. 感情に頼らず冷静的に戦える
  3. 少ないトレードでも勝率が高い

ICT理論のキーポイント

  1. 流動性:損切りがたまる価格帯
  2. 損切り:あらかじめ決めておいた価格でポジションを決済して損失を限定する注文
  3. ストップ狩り:損切り注文をわざと狙って価格を動かすこと
  4. フェアバリューギャップ:急速な動きであいた隙間。価格が戻る可能性あり
  5. オーダーブロック:プロがエントリーしたと思われるエリア。反発ポイント
  6. 時間帯:相場の時間帯

はじめに:ICTから学ぶ為替取引の考え方

為替取引は世界規模でできる両替機?

為替取引は1日に数えきれない通貨数が動いています。その為替レートは通貨の買いたい・売りたいという需要と供給によって決まり、それに影響を与えるのは金利・経済・地学的リスク・心理など、様々な要因があります。しかしながら、ICTではそれらはただの要因に過ぎず、スマートマネーによる価格の設計された動きを始めるトリガーになります。つまり、価格変動の裏にある流動性を奪う動きや騙しの動きを読むことが重要になるというのが、ICTの考え方です。

機関投資オーダーの流れ

投資機関の希望のオーダーよりもそこに存在している通貨数が少ない。
その価格に到達する前にオーダーを消化しないといけないので、逆の注文を行うことある。

はじめに:ICTの価格の段階(IPDA)

価格の段階(IPDA)とは?

IPDAは、市場において価格がどのように動かされているかを見極めるロジックまたはアルゴリズムを指します。これはあくまでICT理論に基づいた概念であり、実際に存在するプログラムやプロトコルではなく、価格が賢く動いているように見える現象を説明するための概念モデルです。IPDAの考え方によれば、マーケットはランダムではなく、一定のルールに従って価格が動かされており、そのルールを理解することで、トレーダーはより精度の高い予測が可能になるとされています。

価格のブレイクアウト(Expansion)

  1. 均衡価格から大きく離れた変動を指す。
  2. 価格の急変動が起こった場合、市場価格を再形成していることを指す。
  3. 機関投資家の注文領域が均衡価格で見つかりやすい。

押し目と戻り(Retracement)

  1. 前回作られたレンジの中に価格が戻ることを指す。
  2. 価格が前回のレンジの中に戻る場合、取引の非効率を解消している段階のことを指す。
  3. ICTではスマートマネーによるポジション構築や流動性確保の一環と認識する。

トレンド転換(Reversal)

  1. 現在の方向性(トレンド)が解消され、反対方向に向くことを指す。
  2. トレンドが解消され、流動性を取り込んで、新しい方向性を組むことを指している。
  3. 流動性を刈り取り、ポジションを構築した後に意図的に発生させる動きであると認識する。

揉み合い相場(Consolidation)

  1. レンジを行き来している状態で、価格が新しいレンジを作らないことを指す。
  2. 価格が新しい高値や安値を作らない場合、その市場価格の上下で保留中の注文が多く存在していることを指す。(近いうちに急変動が起きることを予想)
  3. スマートマネーによるポジション構成やトラップの仕込みの場と捉える。

機関投資資金の注文の流れを意識するポイント

  1. オーダーブロック
  2. フェアバリューギャップ
  3. 狩られやすい価格帯
  4. 均衡価格

ゲームチェンジャーコンセプト:流動性(Manipulation)

  1. 流動性とは?
    • 大口投資家(スマートマネー)が作り上げる価格の流動帯(ゾーンを指す)。数ある大口機関投資家(スマートマネー)が作り出す流動性が大きいゾーンによって、大きく注文を決済することが可能になる。ICTでは、SMが作り出した流動性に乗じて、SMとの同時帯で決済をすることが可能。
  2. 個人投資家は市場をどう見るか?
    • 個人投資家は一般的に教科書的な手法に従う傾向か強く、インジゲーターを駆使した取引が一般的。一般的に間違った方向に引っ掛かりやすいとされている。これにより個人投資家は一般的にスマートマネー側の流動性の構成者となる。
  3. スマートマネーは個人投資家をどう見るか?
    • 価格はスマートマネーの決済効率を高めるために誘導される。個人投資家はその決済効率を高めるための流動帯であり、すなわち、スマートマネーは個人投資家を流動帯として見ている。

スマートマネーによる流動性の基本

  • 個人投資家に損切させる
    • 買いと売りオーダーで、損切させるための価格の動きを、スマートマネー側で仕掛ける。この大きな動きは、流動帯でのスマートマネーの大口決済が可能となる価格水準まで達するのがポイント。
  • 前回のレンジに突入する
    • スマートマネーのオーダーにより、価格が急な反発をして前回のレンジに戻る。スマートマネーのオーダーの方向性により、価格全体の方向性バイアスが決まり始める。(高い時間足で起これば有効的)

まとめ

  • IPDAのどの段階にあるかを知る
  • 機関投資家は流動性を作ることが仕事
  • 個人投資家は流動性に騙されるな