流動性の理解とその利便性とは何か

価格の流動性とは何か

価格の流動性とはある一定の価格帯に来た時に買い手または売り手が一気に買ったり売ったりするところと前述しました。価格の流動性をもっとシンプルな言葉で表現するとお金が集まる場所$です。

ある価格帯でのファンドやたくさんのトレーダーにより大きな取引が行われ大きな流動性が発生することにより、それを材料としてトレーダー再度その価格で売買を行うということになります。

それではなぜその価格帯での流動性をもとに売り買いを行うのでしょうか。

  • トラップまたは完全にその価格帯を抜ける(ブレイクする)とめちゃくちゃ伸びるから
  • 流動性は磁石のようなものだから
  • 指値注文をかけていたり、損切ラインにしている価格帯だから

価格は常に適正価格に対して進むか、流動性の大きいほうを探して進むかのどちらかなので、流動性が高いゾーンは磁石のような働きを持ちます。そこでは指値注文や損切注文が数多くあり、レジスタンスラインやサポートラインとして機能することがほとんどです。

流動性の種類

流動性の種類には内的流動性(IN)外的流動性(EX)の2種類が存在します。これらの流動性が相互作用を繰り返すことにより、マーケットは存在しています。

内的流動性(IN)

  • 組織的ローソク線(IC)
  • ギャップ(GAP)
  • レンジ内のレベル(LEVEL)

外的流動性(EX)

  • 織的ローソク線(IC)
  • フェイル・トゥー・クローズ(FTC)
  • ブレイク・オブ・ストラクチャー(BOS)
  • フェイル・トゥー・ブレイク(FTB)
  • 商売取引

これらの流動性の相互作用を繰り返すおかげで、レンジ相場を形成したり、トレンドを形成することを可能にすることができるということです。

組織的ローソク線(IC)

組織的ローソク線(IC)は主に供給IC(Supply IC)需要IC(Demand ICに分かれています。

これらのローソク線の後は、大きな価格の伸びが生じます。ICは新しいレンジを形作るときに現れる可能性が高いです。逆張りでの予測が可能な方は推奨します。またIC後のローソク線は一本でぶち抜いてくることもあれば、3から4本に分けてぶち抜いてくることもあります。

前述のようにICは新しいレンジを形成しますが、新しいレンジを形成するということは、ブレイク・オブ・ストラクチャー(BOS)が起こっているということです。これは後々チャート分析する上での重要なものとなってきます。

ブレイク・オブ・ストラクチャー(BOS)

ブレイク・オブ・ストラクチャー(BOS)またはストラクチャーブレイク(SB)とは効果的なICかどうかの判断材料やトレンドの条件の判断材料として使われることが多いです。

個人的に1回でもBOSが起こっていれば新しいレンジを形成または効果的なICだと判断しています。

フェイル・トゥー・クローズ(FTC)とフェイル・トゥー・ブレイク(FTB)

FTCではヒゲはレンジ外だが実体はレンジ内に結果的に収まった状態になります。これをBOSと判断するかしないかはトレーダーの好みによりますが、実体ががブレイクしている状態をBOSとして認識したほうがよいでしょう。

FTBでは見せかけのブレイクと判断することができます。このチャートの場合、売りの力が予想以上に高まった状態になると、結果的にレンジ内に収まってしまうことが挙げられます。

買い手と売り手流動性(リクイディティ)

買い手と売り手の流動性はサポートラインまたはレジスタンスラインとして浮かび上がり、そこには売買指値注文や損切ラインを置いていることが多いです。

いったんブレイクすると、損切とその方向に対しての売買によるものすごい圧力が加わります。マーケットの非効率化が発生し大きく陽線または陰線が発生する状態です。またその直前のローソク線はICとみなされる可能性があったり、このBOSがトレンドの発生とみなされる可能性もあります。

リクイディティ・ランとリクイディティ・スイープ

BOSを達成してから急激に価格がその方向に進むことをリクイディティ・ランと呼び、これがBOSが新しいレジスタンスラインやサポートラインとみなされることがあります。またトレンドの発生と解釈される可能性を持っている状態です。

BOSと見せかけて戻ってきてしまうことをリクイディティ・スイープと呼びます。この現象は主にファンドによる見せかけブレイク、またはスキャルピングによるものです。

誘導(Inducement)とストップ・ハント(Stop hunted)

誘導(Inducement)は主に損切ラインを過ぎてからの新しい圧力が加わることを指し、相場環境にもよりますが、これは主にファンドによる決済で使われる行為です。ストップ・ハントと呼ばれるファンドによる戦略が現実的にあります。

このように故意に買いを入れることによって、ブレイクを誘発し大きな本命の売りを入れてくるといったことがあります。大量の売りの流入にマーケートがストンと落ちるといった感じです。この地点をポイント・オブ・インタレスト(POI)といいます。基本的にブレイク後の誘導位置にはオーダーブロック(OB)ギャップ(GAP)が存在している可能性があります。

なぜ誘導(Inducement)が起こるのか

誘導(Inducement)にはFXの醍醐味であるゼロサムゲームが関係してきています。

FXの大原則は、FXは両替機ということです。

FXで通貨を買う場合は通貨を売ってくれる相手がいなければ成り立ちません。そのため、大きなロット数で売買をしたい投機勢は、ある通貨に対して大きく売買する場合、それに対応して売買する人数を確保しなければいけません。大きく売りたければ大きな買いを誘発しなければいけないということです。

これにより、FTBリクイディティ・スイープ誘発(Inducement)として認識される潜在的な可能性を持っているということになります。

今日のポイント

  • 流動性はマーケットの磁石
  • 外的流動性とその種類
  • 売り手と買い手のリクイディティの意識