ICTから学ぶ中央銀行基準偏差(CBDR)

ICT分析:中央銀行基準偏差とは

CBDRの概要

Central Bank Dealers Range(CBDR)は、ICTが教える重要な価格帯の概念で、デイトレード戦略の出発点としてよく使われます。CBDRとは一日の中でどこからどこまでがスマートマネーが価格を設計する中心的なレンジかを示すものです。CBDRはNY時間の午後2時から8時にかけて形成される高値と安値を使って算出します。ICTによると、この6時間の間に中央銀行ディーラーがポジションを仕込むとされる時間帯で、その日の方向性を決める重要レンジになります。このCBDRを基準にすることで、日中における高確率な売買ゾーンを見極めることが可能になります。

  • CBDRの時間定義
    ICTが推奨するCBDRは、NY時間の14時から20時までを定義します。この6時間の間、中央銀行ディーラーがポジションを仕込むとされる時間帯で、その日の方向性を決める重要レンジになります。

(サマータイム計測時)

  • CBDRの使い方手順
    • 高値と安値の特定
      ニューヨーク時間の14時から20時までのローソク足を確認し、6時間の中で最も高い価格をCBDR Highとし、最も低い価格をCBDR Lowと定義します。

    • PremiumとDiscountゾーンを計算
      CBDRの高値と安値の中間地点を計算し、ICTのPD Array Matrixと連動させます。スマートマネーの価格設計を見抜くために使いましょう。

    • エントリー戦略
      価格がCBDRのPremiumDiscountゾーンに到達したのち、反転サインとして、FVG・OBが出現します。ロンドンクローズまで、またはNY Killzone内で反発したら買い・売りエントリーとなるので、見張りましょう。

    • ICTリクイディティハント
      CBDRでは、リテールトレーダーのリクイディティを狙う動きが頻発します。
  • PD Array MatrixPremium・Discountの優位性
  • Orderblocksスマートマネーの仕込みゾーン
  • Liquidity Poolsストップ狩り位置の予測
  • Fair Value Gap(FVG)高確率な反転サイン
  • Killzone成功率が高い時間帯の特定

CBDRの価格乖離偏差(Standard Deviation)

  • CBDRの価格拡張レンジ
    ICTのStandard Deviation(標準偏差)は、CBDRを中心として価格がどれだけ乖離するかを示すためのレベルです。これは統計的な標準偏差(σ)というよりも、CBDRからの価格帯(レベル)を段階的に示すための便宜的な区分となっています。

ここでの標準偏差(σ)は統計学的に算出するものではなく、ICTが設計したモデル上のゾーンです。実際の数値はチャートから計算する必要はなく、あくまでCBDRからの相対的な距離を意識するための目安となっています。

  • 上側(+Standard Deviation)売り優勢ゾーン
    上方向の1αから4σは、価格がCBDRを上抜けした場合のターゲットを示します。多くの場合、1σまたは2σ付近で高値形成(HOD:HIGH OF DAY)を作りやすいです。特にMost Sell Days Create HODやIdeal Sell Days Create HODは上のゾーンで作られ、スマートマネーがリテールの買いを誘ってから売りを仕掛ける狩り場になりやすいです。
  • 下側(-Standard Deviation)買い優勢ゾーン
    下方向の1αから4σは、価格がCBDRを下抜けした場合のターゲットを示します。多くの場合、1σまたは2σ付近で安値形成(LOD:LOW OF DAY)を作りやすいです。特にMost Buy Days Create LODやIdeal Buy Days Create LODは下のゾーンで作られ、スマートマネーがリテールの売りを誘ってから買いを仕掛ける狩り場になりやすいです。

CBDRのルールとその推奨条件

  • 時間指定
    NY時間の14時から20時は標準偏差プロジェクションのための基軸時間となります。
  • 理想的なCBDR幅
    理想的なCBDR幅は20pipsから30pipsの範囲内でもっとも成功率が高く、最大許容幅40pips未満とし、40pips以上のレンジでは、CBDRとしては精度が落ち、プロジェクション(価格ターゲット予測)が難しくなります。CBDRはディーラーが価格を設計する小さなゾーンを前提としているので、レンジが広すぎると狩りの精度が低下し、±1σ・±2σのターゲット精度が悪化します。
  • レンジの計算方法
    CBDRを設定するとき、レンジ幅を決めるためには2つの計算方法があります。最も一般的な方法として、高値と安値のヒゲで測定しますが、実体ベースで測る方が安定します。特にニュース発表時など、ヒゲが極端に大きいときは実体基準が有効です。
  • 方向性バイアスとCBDRの関係
    CBDRを使ったトレードではDirectional Biasを必ず考慮する必要があります。上位足のバイアスを見て、上抜けを狙うか・下抜けを狙うかを判断しましょう。
  • CBDRがHOD・LODを見極める助けになる
    CBDR基準の±1σから±2σ内でHODやLODが形成される確率が非常に高くなるため、ここで高値・安値をつけやすいというシナリオを立てやすくなります。
  • CBDRは一日の基準レンジとして考えると理解しやすい
  • レンジが小さい方が、スマートマネーの動きが読みやすくなる
  • ±1σや±2σのゾーンは、高値・安値が作られやすい狩り場

まとめ