ICTから学ぶ相関分析

ICT分析:マーケット識別方法

マーケットは大まかに2種類

  • トレンド(Trend)
    価格が一定の方向に動き続けている状態をトレンドと呼びます。
  • 上昇トレンド:安値が切り上がり、高値も更新していく状態
  • 下降トレンド:高値が切り下がり、安値も更新していく状態

この判定には、マーケット構造(Market Structure)の高値と安値の変化を使います。つまり、単に線が右上がりだから上昇トレンドと見るのではなく、高値や安値の更新が続いているかを確認することが重要です。

  • ボックス(Box / Range)
    価格が一定の高値と安値の間で停滞し、方向感がない状態をボックスまたはレンジと呼びます。この領域は単なる停滞ではなく、リクイディティが蓄積される場所です。

    • 高値・安値付近には、多くのトレーダーの注文が集まります。

    • このためボックスは、次のトレンドの起点やフェイクアウト(だましのブレイク)の発生源として使われます。

    • スマートマネーはこの溜まったリクイディティを狙い、価格を一方向に動かすことで利益を確保します。
  • 初心者への補足

スイングハイ・スイングロー

スイングとは、価格が一方向に動いたあと、一時的に止まって反対方向に動き出すポイントのことです。これは重要な高値や安値の起点となることが多いです。

  • スイング・ハイとロー
  • 具体的な判定方法(初心者向けの目安)
    • スイング・ハイは、真ん中のローソク足の高値が最も高く、その左右2本のローソク足の高値がそれより低いときに確認できます。

    • スイング・ローは、真ん中のローソク足の安値が最も低く、その左右2本のローソク足の安値がそれより高いときに確認できます。
  • スイング・ハイとローのIPDA的視点
  • スイング・ハイ:左右にある2本以上のローソク足より高い価格
  • スイング・ロー:左右にある2本以上のローソク足より低い価格

ICT分析:相関分析とダイバージェンス

資産相関分析の概要

  • 資産相関とは?
    マーケットでは、ある資産と別の資産が同じ方向に動きやすい(順相関)、または逆の方向に動きやすい(逆相関)といった関係を持つことがあります。これを 資産相関(Correlation)と呼びます。
  • なぜ相関分析をするのか?
    • スマートマネーがどこに資金を蓄積し、どこで分配しているかを推測できます。

    • ドルを中心とした通貨構造を理解する手がかりになります。

    • 市場の対称性(複数の市場で似た動きが出ているかどうか)を確認し、値動きの信頼性を検証できます。

  • 通貨とドル指数(USDX)
    特に通貨は、株やコモディティに比べて相関関係が比較的分かりやすく、ドル指数(USDX)を基準に相場構造を読み解くことができます。
  • USDXが上昇するたびに、USDJPYも上昇しやすい(ドル高・円安)
  • USDXが下降するたびに、USDJPYも下降しやすい(ドル安・円高)

このように、ドル指数の動きを見ることで、ドルを含む通貨ペアの方向性を事前に推測することが可能になります。

  • 実践的な検証
    • USDXと主要通貨ペア(EURUSD・GBPUSD・USDJPYなど)のスイングの関係性を照らし合わせます。

    • ドルが強いのか弱いのかを基準にしながら、各通貨ペアのトレンドやスイングを検証します。

    • 相関関係が崩れているときは、市場の転換点やフェイクアウトのサインになっている場合があります。

スマートマネーとダイバージェンス

  • ダイバージェンスとは?
    ダイバージェンス(Divergence)とは、本来同じように動くはずの2つの資産の動きにズレが生じることを指します。IPDAではこのズレを使って、スマートマネーがどこで仕掛けているかを読み解きます。
  • 分析の流れ
  • スマートマネーのシグナル
    • 本来順相関すべきペア(USDX ↑ USDJPY ↑)が同じ動きをしていない場合。

    • または逆相関すべきペア(USDX ↑ EURUSD ↓)が逆方向に動かない場合。

スイングのズレ(ダイバージェンス)は、スマートマネーが仕掛けているサインです。

  • リバーサル:トレンドが逆方向に転換する
  • リクイディティ・ハント:一時的に価格を動かして、損切りや注文を吸収する

まとめ