ICTから学ぶオーダーブロック

ICT分析:オーダーブロックとその種類

強気オーダーブロック(Bullish Orderblock)

価格が下落している過程で形成された最後の下降ローソク足(または価格バー)を指します。特に、そのローソク足がサポート水準付近で現れ、かつ値幅(高値と安値の差)が比較的大きいものが注目されます。これは、スマートマネー(大口投資家や機関投資家)による買い注文が集中して入った証拠とICTでは解釈します。

  • 有効化の条件(Validation)
    その下降ローソク足の高値を、後から形成されるローソク足が上に突破したときに有効と判断します。これはここに実際の買い需要(Demand)が存在していたことが後から証明されたサインと考えられます。下落していたのに、この足の後で一気に上昇に転じたここが買い場だったと後付けで確認できる仕組みです。
  • エントリー手法(Entry Techniques)
    価格がオーダーブロックから一度上昇して離れたあと、再びオーダーブロックのローソク足の高値に戻ってくるタイミングで買いエントリーするのが基本です。これは、Retracementによって安く買えるチャンスを狙っており、スマートマネーが再度そのエリアを使って買ってくる可能性が高い場所です。
  • リスク管理(Defining Risk)
    一般的には、オーダーブロックのローソク足の安値の少し下に置きます。あるいは、そのローソク足の全体のレンジ(高値−安値)の50%ラインより下に置くのも安全性が高いとされます。価格がオーダーブロックから大きく上昇して離れていったあとには、ストップを50%のラインの上やエントリーポイント近くへトレーリングさせることで、リスクを最小限に抑えながら利益を守ることができます。

弱気オーダーブロック(Bearish Orderblock)

価格が上昇している過程で形成された最後の上昇ローソク足(または価格バー)を指します。特に、そのローソク足がレジスタンス水準付近で現れ、かつ値幅(高値と安値の差)が比較的大きいものが注目されます。これは、スマートマネー(大口投資家や機関投資家)による売り注文が集中して入った証拠とICTでは解釈します。

  • 有効化の条件(Validation)
    その上昇ローソク足の安値を、後から形成されるローソク足が下に突破したときに有効と判断します。これはここに実際の売り需要(Supply)が存在していたことが後から証明されたサインと考えられます。上昇していたのに、この足の後で一気に下落に転じたここが売り場だったと後付けで確認できる仕組みです。
  • エントリー手法(Entry Techniques)
    価格がオーダーブロックから一度下落して離れたあと、再びオーダーブロックのローソク足の安値に戻ってくるタイミングで売りエントリーするのが基本です。これは、Retracementによって高く売れるチャンスを狙っており、スマートマネーが再度そのエリアを使って売ってくる可能性が高い場所です。
  • リスク管理(Defining Risk)
    一般的には、オーダーブロックのローソク足の高値の少し上に置きます。あるいは、そのローソク足の全体のレンジ(高値−安値)の50%ラインより上に置くのも安全性が高いとされます。価格がオーダーブロックから大きく下落して離れていったあとには、ストップを50%のラインの下やエントリーポイント近くへトレーリングさせることで、リスクを最小限に抑えながら利益を守ることができます。

オーダーブロックの種類

  • ミティゲーション・ブロック(Mitigationblock)
  • ブレイカー・ブロック(Breakerblock)
  • リジェクション・ブロック(Rejectionblock)
  • リクレイムド・オーダーブロック(Reclaimed Orderblock)
  • プロパルション・ブロック(Propulsionblock)
  • バキューム・ブロック(Vacuumblock)

ICT分析:それぞれのオーダーブロックの特徴

ミティゲーション・ブロック(Mitigationblock)

ミティゲーション・ブロックとは、過去に形成されたオーダーブロックへ価格が戻ってきたときに、新たな反応(反発や反落)が生じやすいゾーンを指します。これは、スマートマネー(機関投資家など大口)が以前にポジションを持った場所で、未処理の注文(未決済・ヘッジ調整など)が残っているために、再び価格が反応するのです。

  • メカニズムの理解

ブレイカー・ブロック(Breakerblock)

ブレイカー・ブロックとは、一度オーダーブロックとして機能していたゾーンが価格に突破されて無効化され、その後に市場構造(Market Structure)が逆転し、新たにサポートやレジスタンスとして機能するエリアを指します。

  • メカニズムの理解
  • Mitigationblock との違い
    • Mitigationblock
      過去のオーダーブロックが再利用される(スマートマネーが未決済を処理する)場所です。価格の方向性は変わりません。

    • Breakerblock
      過去のオーダーブロックが壊されて役割が逆転します。方向性が変わる点が最大の違いとなります。

リジェクション・ブロック(Rejectionblock)

リジェクション・ブロックとは、価格が重要なサポートやレジスタンスを一時的に突破しようとしたものの、すぐに反転して戻されることで形成されるゾーンです。このときの特徴は、長いヒゲ(上ヒゲや下ヒゲ)が現れることです。これは市場参加者の注文(特にストップ注文 = リクイディティ)が吸収されたあと、スマートマネーが反対方向に仕掛けるために起こります。フェイクブレイクアウトの見極めに使うといいです。

  • メカニズムの理解

リクレイムド・オーダーブロック
          (Reclaimed Orderblock)

リクレイムド・オーダーブロックとは、一度は価格によって突破されて失効したかのように見えたオーダーブロックが、後に価格が戻ることで再び有効化され、サポートやレジスタンスとして機能するゾーンのことです。

  • メカニズムの理解

プロパルション・ブロック(Propulsion Block)

プロパルション・ブロックとは、価格がオーダーブロックに触れたあと、勢いよく反発して強い方向性を示す直後のローソク足を指します。これは、スマートマネーが大量の注文を投入し、マーケットに一気にモメンタムを与える瞬間を捉えるための概念です。

  • メカニズムの理解

バキューム・ブロック(Vacuum Block)

バキューム・ブロックとは、価格が急速に走った結果、売買がほとんど成立していない空白のゾーンを指します。これは通常、高ボラティリティのイベント(FOMC・NFPなどの経済指標発表、週明けの窓開け、取引セッション開始直後など)で発生し、マーケットが一気に動いたときに形成されます。

まとめ