ICT分析:パワーオブ3の基本
PO3つの段階
- 蓄積(Accumulation)
価格が横ばいに動き、方向感が見えにくい時間帯です。この間にスマートマネーは静かにポジションを仕込みます。チャート上ではレンジ相場と呼ばれる形が多く、一般のトレーダーはどちらに抜けるのか分からないと感じやすい状況です。
- 操作(Manipulation)
蓄積のあと、市場は一度だましの動きを見せます。これは多くの場合、トレーダーを逆方向に誘い込み、損切りを誘発させる動きです。スマートマネーはこの過程でリクイディティを吸収します。
- 分配(Distribution)
本命のトレンドが始まる段階です。操作で作られた罠のあとに、本当の方向へ大きく動き出します。この段階でスマートマネーは利益を伸ばし、日足や時間足のトレンドが形成されていきます。
PO3の有効性
PO3はマーケットのリズムを読むツールです。日足の蓄積・操作・分配が視覚的に分かりやすく、トレンドの流れを理解しやすいです。この3段階で騙しを理解し、スマートマネーの方向に乗れるようになります。
- セッションとPO3の関係(代表例)
- アジア時間:レンジが多い
- ロンドン時間:フェイクの動きが出やすい
- ニューヨーク時間:本命のトレンドが展開しやすい
- 必ず起こらない:相場環境やボラティリティ次第で蓄積・分配となるケース
- PO3は時間軸を問わない:LTFでも観察可能です。ミニPO3が何度も出る
- リスク管理が必須:トップロスと資金管理を徹底
オープンの重要性と価格領域
相場における始値(オープン価格)は、1日の基準点となり、そこから価格が上に行くのか、下に行くのかを測るうえで重要な役割を果たします。特に注目すべきオープンは以下の2つです。
- グリニッジ標準時(GMT0)
世界的に基準となる時間で、各プラットフォームが日足を切り替える地点です。世界中のトレーダーがその日の始まりの価格として参照するため、心理的な基準点(Benchmark)になりやすいです。価格がこの始値より上にあるのか下にあるのかが、1日の方向性を測るカギになります。つまり、その日の始値を境に、だましが起きやすい領域と本命の展開につながる領域を見分けやすくなります。
- ニューヨーク時間の真夜中(Midnight New York Open)
米国市場の資金のリクイディティが反映される起点となります。特にドルストレートでは意識されやすく、NY勢の動きを把握するのに役立ちます。
PO3とPD Arrayの組み合わせ
価格が0 GMT始値の近辺で押し目を作ります。その押し目を利用してロング方向へエントリーを開始し、ストップロスを5日間のADR(平均日足レンジ)を基準に逆方向へ置きます。このエントリーの狙いとしては、蓄積(アジア時間)からの操作(ロンドン時間の騙し)を経て、本命の上昇(ニューヨーク時間の分配)に乗るということです。しかし、エントリー構造はディスカウント側でロングを仕込み、プレミアム側でショートを仕込むのが基本発想になります。
- 0 GMT始値やMidnight NY始値が必ず効くわけではない
- 大きなニュースや指標の発表時には無効化されることもある
- 始値とPD ArrayやPO3のシナリオと必ず組み合わせる必要がある
0 GMT始値とMidnight NY始値の水平ラインを毎日引いて観察
まとめ