ICT分析:季節傾向分析と季節傾向相関分析
季節傾向分析
ICTでは金利分析と季節傾向分析を同じ基準で考えながら、エントリー判断に活かしていきます。つまり、短期のテクニカルシグナルだけでなく、時間の流れに応じた季節的なサイクルや市場参加者の行動パターンを理解しておくことが重要です。
為替取引をする場合、基本的にはドルインデックス(DXY)をベンチマークとして参照しながら取引を検討します。DXYは、米ドルと主要6通貨(ユーロ・円・ポンド・カナダドル・スウェーデンクローナ・スイスフラン)の相対的な強弱を表す指標です。
通貨ごとに存在する通貨インデックス(円インデックス・ポンドインデックス)を組み合わせることで、米ドルだけでなく相手通貨の強弱を多面的に分析することができます。これにより、単にチャートを眺めるよりも客観的に市場の状況を把握できます。
- 季節傾向(Seasonal Tendencies)の代表例
- Sell in May(セル・イン・メイ)
5月の連休明けには、多くのスマートマネーが夏季休暇前にポジションを整理する傾向があります。そのため株式市場が下落しやすく、リスクオフの流れが強まることで為替市場では円高やドル高が進むことがあります。
- September Effect(セプテンバー・エフェクト)
世界的に9月は株価が下落しやすい月とされ、リスク回避の動きから円高やドル高に振れやすい傾向があります。これは投資資金のリバランスや期末決算の影響などが背景にあると考えられています。
- 季節傾向は絶対的なルールではなく、あくまで傾向
- リクイディティの動きと同じくらい、季節的な市場の習性を重視
- 季節傾向は市場の空気感を理解するための参考資料であり、実際のエントリーはチャートのPD Arrays分析やリクイディティ分析と合わせて判断
季節傾向相関分析
ICTの季節傾向相関分析とは、ある特定の通貨が買われやすい時期や売られやすい時期を、過去のデータをグラフ化して可視化する分析手法です。これにより、どの時期にどの通貨ペアに注目すべきかを判断する材料となります。
たとえば、米ドルは年末に強くなりやすい傾向がある一方で、ユーロは夏場に弱くなりやすい傾向があります。このような季節的な習性を把握しておくことで、スイングトレード や ポジショントレード において、相場の大きな流れを味方につけることができます。
- 季節傾向相関分析の活用法
- 季節傾向分析(1つの通貨が強弱になりやすい季節を見る)
- 相関季節傾向分析(複数の通貨インデックスを比べて強弱を確認する)
この2つを組み合わせることで、買われやすい通貨と売られやすい通貨を同時に見つけやすくなります。つまり、単にドルが強いと見るのではなく、ユーロが弱い時期にドルが強いなど、通貨ペアとしてのエッジを探すことができます。
- 季節傾向は統計的傾向であり、必ずしも未来が同じ動きになるわけではない
- 季節傾向分析だけでトレード方向を決めるのは危険。ICTでは金利動向やリクイディティの動きと組み合わせて判断
- 季節傾向・相関分析・金利分析を総合して見ることで、スマートマネーの流れを読み取りやすくなる
- 季節傾向分析と季節傾向相関分析は、スイング・ポジショントレーダーにとってバイアス形成の強力なツール
- 季節傾向だけで方向性を断定するのは危険
- 季節傾向・相関分析・金利分析を組み合わせることで、スイング・ポジショントレードでは確信度の高いトレード判断が可能
まとめ